Parallels® Desktop for Chromebook Enterprise を本日リリース
Chromebook Enterprise 上で直接 Windows を稼働できる世界初のソフトウェア「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」が本日リリースされました。このソフトウェアを使えば、Microsoft Office や独自アプリケーションなどフル機能の Windows アプリケーションをインターネット接続のない環境でも実行できます。Parallels Desktop for Chromebook Enterprise は Chrome OS および Google 管理コンソールと統合されており、VDI インフラストラクチャを必要としないため、IT 部門は簡単かつ安全にセットアップや展開ができます。
図 1 Parallels Desktop for Chromebook Enterprise を利用して Chromebook Enterprise 上で Windows アプリを稼働
Google の Chrome OS 担当バイスプレジデントであるジョン・ソロモン氏のコメント:
「最近はリモートワークやオフィス内、あるいはそのハイブリッド環境で、Chrome OS を採用する企業がますます増えています。Parallels との連携を通じて、Parallels Desktop for Chromebook Enterprise を介したフル機能のレガシー Windows アプリケーションの実行をサポートできることに期待を寄せています。これにより、企業はクラウド優先型のデバイスとワークフローに容易に移行できるようになります」
Parallels のエンジニアリング・サポート担当シニアバイスプレジデントであるニック・ドブロボルスキーのコメント:
「22 年以上に渡って Parallels がソフトウェアにもたらしてきたイノベーションにより、ユーザーは複数のオペレーティング システムやアプリケーションをあらゆるデバイスでシームレスに実行し、生産性を容易に高めることができるようになりました。Parallels Desktop for Chromebook Enterprise には、こうした Parallels の長年の経験が活かされています。Parallels Desktop では、Windows とそのフル機能のアプリケーションおよび Chrome OS アプリケーションを、Chromebook 上で直接、しかも同時に実行できます。また、さまざまな利便性の高い機能が組み込まれています。例えば、Windows 10 と Chrome OS 間でのテキストとグラフィックのコピー & ペースト操作、Chrome OS の共有プリンターまたは Windows 10 専用のプリンターからのストレスのない印刷機能、Windows ファイルを Chromebook 上でローカルに、クラウド上に、またはその両方に保存するオプションなどが利用可能です」
HP のクラウド クライアントグループ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるマウリク・パーンディヤ氏のコメント:
「高い柔軟性と生産性を実現するクラウド ソリューションに対するニーズが高まるにつれ、企業はこれまで以上に、クラウド優先型の IT 戦略を受け入れるようになっています。最新の HP Elite c1030 Chromebook Enterprise 上で稼働する Parallels Desktop for Chromebook Enterprise は、業界のゲームチェンジャーです。Chrome OS 上で難なく Windows アプリケーションを実行可能にすることで、企業と従業員に高度なクラウド体験をもたらします」
Chromebook Enterprise で Windows と Chrome OS のアプリケーションを実行する方法
- 複数のフル機能の Windows アプリケーションと Chrome OS アプリケーションを同時に実行: Microsoft Office やその他フル機能の Windows アプリケーションをエンタープライズ仕様の Chromebook 上で直接実行できます。Excel のチャートのトレンドライン、Word の目次機能、PowerPoint のカスタムフォントやヘッダー / フッター (いずれも他のバージョンの Microsoft Office では利用できない機能) を簡単に追加できると同時に、Chrome OS アプリケーションも並行して利用できます。マシンを再起動したり、不安定なエミュレーターを使用したりする必要はありません。
- フル機能の Windows ビジネス アプリケーションを Chromebook 上にインストールして実行: Windows アプリケーション (独自開発ビジネス アプリケーションも含む) のすべての機能とツールを使用して生産性を最大限に高めることで、フル機能の Windows アプリケーションによる作業を必要とするどのユーザーでも簡単に共同作業ができます。
- インターネット接続がなくても問題なし!: インターネット接続のない環境や接続帯域幅の狭い環境でも Chromebook 上で Windows アプリケーションを実行できるため、屋外や航空機内、あるいはインターネット接続が一時的に中断した場合でも、生産性を落とすことなく作業できます。
生産性向上の仕組みとシームレスな統合
- クリップボードの共有: Windows と Chrome OS 間で双方向にテキストとグラフィックをコピー & ペーストできます。
- ユーザープロファイルの共有: Windows ユーザー フォルダー (デスクトップ、ドキュメント、ダウンロード) が Chrome OS の Windows ファイル セクションにリダイレクトされるため、Chrome OS アプリケーションは複製を作成することなく、ファイルに確実にアクセスできます。これにより、Windows が稼働していないときでも、Chrome OS は上記のファイルにアクセスできます。
- カスタム フォルダーの共有: 任意の Chrome OS フォルダー (Google Drive や OneDrive などのクラウドストレージ フォルダーを含む) を Windows と共有して、Windows アプリケーション ファイルを保存するために使用できます。
- ダイナミックな画面解像度: Windows 10 のウインドウの隅または端をクリックしてドラッグするだけで、Windows の画面解像度を簡単に変更できます。
- Windows 10 でのフルスクリーンのサポート: ウインドウの右上隅の [最大化] ボタンをクリックすることで、Chromebook の全画面表示を使用するように Windows 10 を設定できます。Windows を別の仮想デスクトップで稼働し、単純なスワイプ操作で、Chrome OS と Windows を相互に切り替えることができます。
- Windows Web リンクを好みのところで開く: Chrome OS で、またはお気に入りの Windows ブラウザー (Chrome、Microsoft Edge、Internet Explorer、Firefox、Brave、Opera など) を使用して、Web リンクを開くよう Windows 10 側で設定できます。
- Windows アプリケーションを関連付けて Chrome OS 上でファイルを開く: Windows アプリケーションは、Chrome OS の [このアプリケーションで開く] インターフェイスに完全に統合されます。特定の Windows アプリケーションを、特定のファイルの種類に対応する (つまり、Windows で特定のファイルを開く際の) 既定のアプリケーションとして割り当てることができます。
- ストレスなく印刷: Chrome OS で利用できるプリンターを Windows 10 と共有できます。Windows 10 のみで利用可能なプリンターも使用できます。その場合は、Windows 10 用の適切なプリンター ドライバーをインストールする必要があります。
仮想化の基本機能
- Windows のサスペンドとレジューム: Windows を簡単に停止 / 再開して、素早く作業に復帰できます。
- Chromebook のマウス、タッチ、キーボードを使用して Windows アプリケーションを操作できます。
- マウスカーソルの同期: マウスカーソルを Chrome OS と Windows 間で移動するだけで、カーソルの外観と操作性がそれぞれのオペレーティング システム (OS) での設定に合わせて自動的に切り替わります。
- スクロールとズーム: Windows アプリケーションで、タッチパッド、マウス、またはタッチ スクリーンを使用して、画面をスクロールやズームができます。
- サウンド: Windows アプリケーションのサウンドを再生できます。今後のアップデートでは、マイクもサポートする予定です。
- ディスクのパフォーマンス: Parallels 独自の仮想ディスク テクノロジーにより、単純な Non-Volatile Memory Express (NVMe) ドライバーと比較してパフォーマンスが向上しています。
- ネットワーキング: Windows は、お使いの Chrome OS ネットワーク接続を使用します。これは、Chrome OS ネットワークが VPN である場合にも該当します。Windows で VPN を使用する各種設定も選択できます。
簡単な展開とライセンス管理
- ヘルプデスクいらずのエクスペリエンス: Parallels Desktop アイコンを 1 回クリックするだけで、Chromebook に Parallels Desktop がインストールされ、アクティベーションが実行されます。その後、IT 部門設定した Windows イメージがダウンロードされて、すぐに使用できます。SHA256 チェックサムにより、ダウンロード ファイルが改ざんされていないことが保証されます。また、CPU と RAM の自動割り当てにより、ユーザーの Chromebook でバランスのとれたパフォーマンスが実現します。
- Windows の管理: IT 管理者は、Chromebook ユーザーと IT 部門の両方のニーズを満たすよう、Windows を準備できます。フル機能の Windows OS は、ドメインに参加してグループポリシーや Windows 管理ツールによって管理できるため、組織のセキュリティ基準全般に準拠するようになります。ユーザー プロファイルの共有オプションを無効にすることで、ローミング プロファイル、フォルダー リダイレクト、FSLogix もサポートされます。
- Google 管理コンソールとの統合: Google 管理コンソールを使用して次の操作を実行できます。
- 選択したユーザーに対して、Parallels Desktop のアクティベーションやアクティベーション解除を実行する
- 選択したユーザーに対して、社内向け Windows イメージを展開する
- Windows 仮想マシンのダウンロードと運用に必要なディスク領域を指定する
- 選択ユーザーに対して、仮想マシン管理用コマンドラインを無効化する
- Parallels Desktop で、匿名の製品内分析を有効にするかどうかを制御する
- Chrome OS のセキュリティ標準: Google が作成した Windows 向けのセキュアなサンドボックスにより、Chrome OS がセキュアに保護されます。
- わかりやすいライセンス提供方法: ユーザーごとのライセンスは、エンドユーザーに対してシームレスに行われます。IT 部門は、Google 管理コンソールを使用して、ユーザー ライセンスの監視を簡素化します。これにより、いつでもアドオンを購入および適用し、使用状況に応じてライセンスを更新できます。
- 総所有コスト (TCO) の削減とコンピューティング エクスペリエンスの単純化: ハードウェアの一元管理、費用の削減、移動負荷の軽減を実現します。企業の Chromebook ユーザーが必要とする Windows 10 と Chrome OS のアプリケーションとファイルをすべて簡単に使用できます。これにより、フル機能の Windows アプリケーションを使用するために、PC を購入、保守、移動したり、VDI ソリューションをインストールしたりする必要がなくなるため、経費削減や不便さの解消が行われます。
- Parallels プレミアムのサポート: Parallels Desktop for Chromebook Enterprise のライセンスにはサポートが含まれています (オンサイト サポートは除きます)。Parallels マイアカウントで、電話とメールによるサポートを受けられるだけでなく、未対応のサポート チケットとそのステータスを監視することもできます。Parallels Desktop のサポート エンジニアは、ビジネスクラスのサポートを提供していますので、ユーザーガイド、管理者ガイド、Parallels Desktop に関する質問に対する回答からなるナレッジベースもご利用頂けます。
Parallels Desktop for Chromebook Enterprise は今後の製品アップデートで、カメラやマイク、USB デバイスのサポートなど、さらなる機能強化が行われる予定です。
入手方法、無償トライアル、価格体系
Parallels Desktop for Chromebook Enterprise は、1 ユーザーあたり年間 7,389円 (税別) となります。日本国内での販売は弊社パートナー各社を通じて行われますが、販売体制等の詳細が整い次第、発売開始予定となります。
また、5 ユーザー ライセンス付きの 1 カ月間無償フル機能トライアルなど、製品の詳細については、parallels.com/jp/products/desktop/chrome をご覧ください。
システム要件
- 推奨ハードウェア:
- プロセッサー: Intel Core i5 または Intel Core i7
- メモリ: 16 GB
- ストレージ: 128 GB 以上の SSD
- 推奨されるデバイス:
- HP:
- HP Elite c1030 Chromebook Enterprise (推奨)
- HP Pro c640 Chromebook Enterprise
- Google:
- Google Pixelbook
- Google Pixelbook Go
- Acer:
- Acer Chromebook Spin 713 (CP713-2W)
- Acer Chromebook Spin 13 (CP713-1WN)
- Dell:
- Dell Latitude 5300 2-in-1 Chromebook Enterprise
- Dell Latitude 5400 Chromebook Enterprise
- Lenovo:
- Lenovo Yoga C630 Chromebook
- ASUS:
- ASUS Chromebook Flip C436FA
- ASUS Chromebook Flip C436FA
- HP:
- Windows 10 ライセンス:
- 法人のお客様は、マイクロソフトの既存の Windows ライセンスと使用許諾契約を使用できます。
- 法人のお客様は、マイクロソフトの既存の Windows ライセンスと使用許諾契約を使用できます。
- Google 管理コンソール:
- IT 管理者は、Chrome Enterprise / Education Upgrade ライセンスの対象となる Chromebook デバイスを管理できます。
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