Parallels RAS:バージョン 16.5.3 の新機能
Parallels RAS の担当チームは引き続き、ビジネスに大きなメリットをもたらす改善点の導入に取り組んでいます。Parallels RAS は、このほどリリースした 16.5 アップデート 3 (16.5.3) において、新たな VDI プラットフォーム、新しい開発者ツール、いくつかのクライアント サイドのセキュリティ強化をサポートするようになり、また他の複数の改善点も導入しました。将来のリリースで Microsoft Windows Virtual Desktops (WVD) をサポートするための開発にも鋭意取り組んでいます。
他の VDI プラットフォームのサポート
今回のアップデートにより Parallels RAS は、Scale Computing HC3 のサポートを開始しました。Scale Computing HC3 は、新しいハイパーコンバージド インフラストラクチャのソリューションであり、単一のアプライアンスでコンピューティング、ストレージ、仮想化、バックアップ、障害回復を連係させることができます。HC3 は、Scale Computing が独自に有する KVM ベースのハイパーバイザーを使用することで費用対効果が高く、使いやすいハイパーコンバージド ソリューションです。これは Parallels RAS の品質に匹敵するものです。
Parallels RAS はすでに、Microsoft Hyper-V、Citrix Hypervisor (旧名 XenServer)、VMware ESXi、Nutanix Acropolis (AHV)、KVM など多岐にわたる VDI プラットフォームをサポートしていましたが、バージョン 16.5.3 では、別の VDI プラットフォームとして Scale Computing H3 のサポートを開始し、選択肢がさらに広がります。この新しい機能によって Parallels RAS はより強力になり、Scale Computing HC3 API を通じた仮想マシンの管理が可能になります。
新しい開発者ツール
Parallels RAS に追加された別の注目すべき機能は、RAS セッション変数の拡張です。従来、RAS セッション変数は公開済みのアプリケーションでのみ使用可能でした。16.5.3 ではこの機能が、公開済みのデスクトップにも対応するよう拡張されました。独自のアプリケーションを開発するお客様やパートナーの皆様は、それらのアプリケーションで、ユーザーが Parallels RAS クライアントを使用して接続し、タスクや特定のセッション変数 (クライアント IP、MAC アドレス、モデル、バージョンなど) のクエリを実行したい場合に、より柔軟に対応できるようになります。
クライアント サイドのセキュリティ強化
Parallels RAS には高度な安全性が備わっていますが、ユーザーがパスワードの複雑性要件を遵守しない場合に、仮想アプリケーションやデスクトップの安全性が脅かされる場合があります。企業がこれらのポリシーに準拠できるよう、macOS®、iOS、Android クライアントの最新のアップデートでは、次に挙げるようないくつかの重要なクライアント サイドのセキュリティ強化が導入されています。
- ユーザーがパスワードを変更する際のパスワード要件の表示
- パスワード期限切れの通知
- 通知受領直後のパスワード変更の有効化
Windows Virtual Desktop (WVD)
WVD のサポートは今回のアップデートには含まれていませんが、Parallels RAS バージョン 16.5.3 では、近い将来の WVD のサポートに向けた準備が整えられています。
Parallels RAS は WVD プラットフォームの拡張および強化を計画しており、これによってお客様およびパートナーの皆様は、正規のユーザーならびに利用者に対して適切な配信方法を採用できるようになります。さらに、Parallels RAS と WVD の統合により、次の点が可能になります。
- デスクトップおよびアプリケーション配信のインフラストラクチャが一体化されます
- Parallels RAS を経由して WVD 内部また外部のワークロードを維持管理できるようになります
- IT 管理の改善
- Parallels RAS Console で IT 管理者は、さらなる機能を利用できます
- 単一のコンソールでインフラストラクチャ全体の管理、メンテナンスが可能になります
- IT 管理者は同一のコンソールから簡単に、インフラストラクチャのモニタリングとレポート作成を実行できるようになります
- WVD 機能の拡張 (特に展開シナリオにおいて)
- WVD のワークロード (Azure 上で動作する Windows 10 や延長済みの Windows 7 サポートなど) と、マルチクラウドやハイブリッドクラウドなど他のクラウドからのワークロードを統合します。
- クラウドへの移行と導入の促進
- プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、パブリッククラウドおよびマルチクラウドをサポートする機能を通じて、Parallels RAS による従来型の展開の堅牢性と WVD との連係が可能になり、 クラウドへの移行と導入が促進されます
新しい機能のリスト
Parallels RAS v16.5.3 で導入された、いくつかの新しい機能に関するナレッジベース記事のリストは以下の通りです
RAS セッション変数: http://kb.parallels.com/en/124632
サポートされる VDI プロバイダー: https://kb.parallels.com/jp/123600
VDI Agent のインストール オプション: http://kb.parallels.com/en/124633
Parallels Remote Application Server v16.0 以降へのアップグレード: https://kb.parallels.com/jp/124222
Parallels Remote Application Server の製品ライフサイクルについて: https://kb.parallels.com/jp/123002
Parallels Remote Application Server v16.5 リリース概要: https://kb.parallels.com/en/124473