Parallels® RAS を展開する場合、IT 管理者は Parallels RAS Console からファームやそのすべてのコンポーネントを一元的に構成できます。これには、リモートデスクトップセッションホスト(RDSH)、仮想デスクトップインフラ(VDI)、Azure Virtual Desktop、リモート PC、Publishing Agent、Secure Client Gateway、VDI プロバイダーなどが含まれます。セットアップウィザードにより、RDSH サーバーの追加、アプリケーションの公開、Parallels RAS へのユーザーの招待など、IT チームが重要なタスクをスムーズに実行できるようサポートします。
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[ユーザーを招待] ウィザードにより、管理者は業務従事者を簡単に招待し、公開済みアプリケーションやデスクトップですぐに作業を始められるようにすることができます。ウィザードにより、Windows から、macOS、iPadOS、Android、Chrome OS、Linux など、さまざまな OS 用の Parallels Client をダウンロードするためのリンクを含む招待メールを送信できます。
招待メールには、インストールとクライアントのロールアウトプロセスに伴う複雑さを軽減することを意図したステップと接続に必要なサーバーの詳細が記載されています。
管理者は Parallels RAS Console の Windows リモート管理ツールまたは選択したカスタムツールを使用して、サーバーやリモート PC を管理できます。Parallels RAS Console を開いたまま、Windows の標準的なコンピューター管理タスクを実行できます。タスクには、リモートデスクトップ接続、コンピューター管理、サービス管理、イベントビューアー、PowerShell、再起動などが含まれます。
Parallels RAS は SAML(Security Assertion Markup Language)と統合されており、ID プロバイダー(IdP)が認証情報をサービスプロバイダー(SP)(この場合は Parallels RAS 環境)に転送できるようにします。SAML はシングルサインオン(SSO)を提供します。つまりユーザーは単一の認証情報を使って多くの異なるシステムにログインすることができます。電子メール、顧客関係管理(CRM)ソフトウェア、Active Directory などで別々にログイン情報を管理するより、ユーザーごとに 1 つのログイン情報を管理する方がシンプルです。
IT 管理者は、[RD セッションホスト] ビューの [スケジューラー] タブから、スケジュールに従ってサーバーを再起動したり、一時的に無効にしたりできます。
Parallels RAS は、130 以上の組み込みの自動最適化機能を備えており、仮想アプリおよびデスクトップ向けの効率的かつ合理的な配信を実現します。柔軟性が向上することで、管理者は、サーバーの種別に応じて、RDSH、VDI、または Azure Virtual Desktop ワークロードに対応する、事前構成された各種の最適化機能を活用できるようになります。
事前構成された最適化により、更新を簡単に実行して、Windows オペレーティングシステム(OS)の今後のリリースをサポートできます。管理者は、サードパーティのツールからのスクリプトを含む、事前に構成されたスクリプトを使用できるため、イメージを最適化する時間を節約できます。
IT 管理者は、PowerShell API で利用可能な Microsoft PowerShell スクリプトにより、Parallels RAS ファームを管理できます。Parallels RAS PowerShell コマンドレットを使用して、重要な構成と管理機能を利用できます。
PowerShell API では、複雑な繰り返しの作業を自動化します。Parallels RAS コンソールを使用することなく、Parallels RAS 環境を設定および管理するメカニズムを利用できます。詳細については、「PowerShell ガイド」をご覧ください。
管理者は Parallels RAS テンプレートを作成して、RDSH または VDI ホストで動作する仮想マシン(VM)のプロビジョニングを自動化できます。空き VM を確保するために設定可能なオプションとして、[Keep-alive] や [使用可能なバッファを以下に維持] などがあります。これらは業務上のニーズに応じて使用可能です。テンプレートは Parallels RAS データベースに保存されます。リクエストに応じてスクリプトが実行され、VM を自動的に収容したり削除したりできます。
Parallels RAS は、カスタマイズされたテンプレートを使用して RDSH および VDI デスクトップを自動的に生成し展開します。これにより実行中にゲスト VM を自動作成して展開することが可能になるため、管理者は時間を大幅に節約できます。管理者は Virtual Desktop を 1 回作成するだけで、あとは何度でも複製することができます。
さらに、管理者は、VM 作成時にデフォルトの電源状態を設定することができます。一例として、電源がオフの状態のセッションホストを 100 台作成することができます。これら作成したホストは電源が切れた状態のため、コンピューターの動作に伴うコストは発生しません。すべての VM の電源がオフになっている場合、ユーザーのリクエストによりセッションホストの電源を自動的にオンにすることができます。
さらに、テスト用ゲスト VM テンプレートウィザードで、VM のテストならびに VM の展開を自動化し、カスタムのテンプレートがスムーズに動作するようにできます。これにより管理者による手動タスクの必要性を軽減できます。
Parallels RDSH 設定ウィザードにより、エンドユーザーに対し、公開済みアプリケーションとデスクトップを迅速にプロビジョニングできます。ファームへの RDSH の追加は、簡単なガイドに沿った、わずか数回のステップで実行できます。
管理者は、ネットワーク内の利用可能な Windows Server ホストを選択するか、IP アドレスまたはサーバーホスト名(または FQDN)を使用して手動で追加することができます。また、ウィザードにより、RDS ロールがリモートサーバーに存在するかどうかを検出できます。RDS ロールが有効でない場合、追加の設定を行うことなく、ウィザードによるインストールを実行できます。
Parallels RAS Console から、サーバーのロードバランスを簡単に実行することができます。リソースベース方式またはラウンドロビン方式のいずれかとなります。同じアプリケーションをホストする RDSH 間で、トラフィックの負荷を分散することにより、応答時間を向上させ、処理リソースの完全な最適化を確実に実行し、ボトルネックを回避することができます。
Parallels RAS のシングルライセンスには、完全に自動化された個別の高可用性ロードバランス(HALB)コンポーネントを使用して、大規模ネットワーク用の Secure Client Gateway のロードバランスを実行するためのオプションが含まれています。HALB アプライアンスは、ゲートウェイに転送される接続のロードバランスを実行する、専用ホストとして機能します。これにより、インフラ全体のパフォーマンスが向上します。
AWS Elastic Load Balancer(ELB)や Azure Load Balancer といったサードパーティのロードバランサーも使用可能です。
Parallels RAS は REST API プロトコルをサポートしています。つまり Parallels RAS の処理を該当の製品エコシステム内に統合することで、Web サービスの効率化を図ることができます。Parallels RAS 環境の構成や管理、リソースの公開、ユーザーセッションの管理などの機能を自動化します。詳細については、「REST API ガイド」を参照してください
Parallels RAS では、セッションのセットアップ時にユーザーを Remote Desktop Users グループまたは Administrators グループに自動的に追加できます。また、ログオフ/切断時にこれらのグループからユーザーを削除することができます。これにより、ログインの安全性を高め、不正なアクセスを防止できます。
IT 管理者は、RDSH セッションの数、CPU やメモリの使用量、VDI イベントなどのパフォーマンスカウンターに応じて自動的に送信される、通知メッセージを設定することができます。また、設定した値があらかじめ定義された範囲から外れている場合に自動的に実行される、カスタムスクリプトを設定することもできます。