Parallels RAS 20 アップデート
Parallels RAS 20 では、柔軟性、セキュリティ、および利用者さまと管理者様の全体的な体験向上に向けた、強力な新機能が多数搭載されました。
今回のアップデートでは、重要な修正とサポートの改善も行われました。最も注目の強化の一例をご紹介します。
主なアップデート
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ローカルアプリの起動
ユーザは、同一の Parallels Client ワークスペースからリモート公開アプリケーションとローカルアプリケーションをシームレスに並行して起動できるようになり、接続遅延の低減と、ローカル・リモートのアプリケーション双方で統一されたエンドユーザ体験が実現します。
今回のアップデートにより、ローカル・リモートのアプリケーション双方が Parallels Client 経由のアクセスとなるため、ユーザのコンテキスト切り替えが削減されます。これにより、管理者様が管理コンソールから、リモートアプリやデスクトップと同様に、デスクトップ上またはスタートメニュー内のローカルアプリケーションのショートカットを管理できるようになります。
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AWS 可用性ゾーンのサポート
お客様は、AWS の同一リージョン内の異なる可用性ゾーンに同一の RAS テンプレートイメージおよびホストプールからホスト(クローン)をデプロイできるようになり、高可用性が向上します。
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Windows 365 クラウド PC におけるアプリケーションデリバリの管理
IT 管理者様には、ローカルにインストールされていないアプリケーションを「双方の利点を最大限に活用」し、クラウド PC へのデリバリが可能となりました。この改善は、Windows 365 をメインのデスクトップとして使用し、ローカルにインストールされていないビジネス系アプリを Parallels RAS を使用してデリバリするクラウド PC ユーザに最適です。
また、バックエンドがオンプレミスに存在するために クラウド PC への移行が困難なお客様の障害を取り除き、アプリが「利用者を追いかける」ことで、クラウド PC へのユーザのオンボーディングが高速できます。
Azure Virtual Desktop(AVD)でホストされているアプリや MSIX アプリのアタッチに基づくアプリは、専用の Parallels RAS を通じてシームレスかつ動的にデリバリされます。 紹介ビデオでは、クラウド PC と Parallels を使用したエンドユーザの体験が紹介されています。
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コストダッシュボード UI(近日公開!)
クラウドおよびハイブリッド環境の両方でAzure Virtual Desktop(AVD)を使用する際の現在および将来のコスト利用に関するリアルタイムの知見を、IT 管理者様に向けに提供します。
その他のアップデート
柔軟性
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Azure Marketplace の追加機能
ライセンス持ち込み(BYOL)や従量課金(PAYG)に加えて、Azure Marketplace から直接プリペイドの Parallels Subscription が利用できるようになりました。
また、お客様は Microsoft Azure 従量課金コミットメント(MACC)を利用して Parallels RAS ライセンスを購入し、Parallels パートナーはお客様向けのプライベートオファーを作成することも可能になりました。
このアプローチにより、導入がより容易になります。これは最新のクラウドベースの購入戦略にも合致しているため、リモートアクセスや仮想化ニーズの管理に向けた、より便利かつ費用対効果に優れたソリューションを提供できます。
セキュリティとシステムのアップデート
- マイアカウントでファームを簡単に区別
今回の強化によって管理者様は割り当てられた IP アドレスに基づいてファームを区別できるようになり、サポートとセキュリティ管理が向上します。
- 更新されたシステム要件
お客様の環境をより安全かつ最適化するため、最小システム要件が更新されました。最新のシステム要件を取得してください。
- 新しいOSに対するサポート
「Parallels Client for Android」は Android 15 を、「Parallels Client for macOS」 は macOS 15(macOS Sequoia)を、「Parallels Client for iOS/iPadOS」 は iOS/iPadOS 18 のサポートを開始しました。
管理機能の改善
- 新規のカラム「最後に使用したセキュアゲートウェイ」
最後に使用したセキュアゲートウェイを新規カラムで確認できます。今回の変更により、管理者様には特定のセキュアゲートウェイの全ユーザをフィルタリングできるようになり、ネットワーク管理とトラブルシューティングが容易になります。
ユーザ体験
- Parallels Client for Web での高 DPI 対応
高解像度または高 DPI(dots/inch)ディスプレイ対応によってユーザ体験が向上し、Web クライアント(HTML5)経由でリモートアプリやデスクトップとやりとりする際に、画像の鮮明度や画質の鮮明度が向上します。
- 新しいフランス語およびベルギー配列のキーボードレイアウト
Parallels Web クライアントによってフランス語およびベルギー配列のキーボードレイアウトに対応となり、ユーザ体験が向上します。このようなレイアウトに対応することで、Parallels RAS ポリシーによる一元制御も可能です。
- 複数デバイス間のセッションを再開
今回のアップデートにより、Parallels RAS セッションログイン時に、アクセス元のデバイスに関係なくアプリケーションが自動で起動できるようになりました。ログイン後、以前使用していたアプリケーションを手動で再起動することなく、すぐに作業を開始できます。
これらのアップデートにより、Parallels RAS のパフォーマンス、セキュリティ、柔軟性、および全体的なユーザ体験が向上し、最新のクラウドおよび仮想化トレンドに対応します。
機能の全リストは、RAS 20 リリースノート を参照してください。
Parallels RAS 19.4 アップデート
Parallels RAS 19.4 アップデートでは、さらなる改良、機能、修正が導入されました。今回のアップデートでは、環境の柔軟性、セキュリティ、ユーザーエクスペリエンスが優先されています。また、重要なバグの修正とサポートのアップデートも追加されました。
最新のアップデートで追加された注目の改良の一部をご紹介します。
柔軟性
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ID プロバイダーとの軽度な統合
IT 管理者は、サードパーティ ID プロバイダー(例: Azure、Okta、Ping)を Parallels RAS とシームレスに統合できるようになりました。これにより、エンド ユーザーは RAS 登録サーバーや認証局の必要なく、サインインし、アプリやデスクトップなど Parallels RAS のリソースにアクセスできます。結果としてこれらのリソースを起動するとユーザーには自分の認証情報を入力することが求められます。この機能は、公開アプリケーションを提供し、公開アイテムを立ち上げる際にユーザーの認証情報を認証する SAML を活用する Parallels RAS の新機能によって利用できるようになりました。 -
強化されたホワイトラベルとカスタマイズ
ユーザー プール環境の背景画像の変更を希望している企業は、JPEG または PNG をアップロードして、管理者専用ポータル内で設定できるようになりました。これは、既存のプロバイダーから Parallels RAS に移行する場合は特に、従業員に対してこれまでと同じルック アンド フィールを提供することに役立ちます。この機能は、Parallels RAS 内ですでに確立されているホワイトラベル機能とユーザー ポータルで利用できるカスタム オプションをさらに改善します。
セキュリティ
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読み取り専用のドライブ リダイレクト
読み取り専用のドライブ リダイレクトにより、クライアントからサーバーにドライブをリダイレクトできます。ただし、ドライブへのアクセスが読み取り専用に制限されるため、データ漏洩のリスクが軽減されます。この機能は、既存のドライブ リダイレクト機能を拡張します。 -
詳細なクリップボードの制限
現行の機能を拡張することで、双方向または一方向の使用向けにクリップボードの機能を設定できるようになりました。管理者はテキストのみの形式を指定できるため、コントロールを向上し、データ漏洩のリスクを軽減できます。これにより、ユーザーはすべての形式に対応することなく、コピー/貼り付け機能を利用できます。
ユーザーエクスペリエンス
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新しいスイスドイツ語とスイスフランス語のキーボードのレイアウト
キーボードのレイアウトの設定がアップデートされ、スイスドイツ語とスイスフランス語のオプションが追加されました。これにより、新たに追加された二言語に馴染みのあるユーザーのエクスペリエンスが改善されます。 -
Parallels Client Progressive Web Apps (PWA) for Windows のショートカット キー
Parallels Admin コンソールで、ChromeOS ウェブ ブラウザから実行中のユーザー セッションで PWA として Windows を設定できるようになりました。今回のアップデートには、Chrome 経由で重要なアプリケーションを提供、起動するさらに便利な方法が含まれています。 -
IGEL User Management System (USM) を使用しての Parallels Client の中央設定
新たな設定により、IT 管理者は IGEL 対応の Parallels Client をプロファイリング・構成する機能を利用できるようになりました。今回の改良により、IGEL OS12 デバイスで Parallels Client をさらに効率的に管理できるようになります。
機能の全リストは、RAS 19.4 リリースノート を参照してください。
Parallels RAS 19.2
Parallels RAS 19.2 は Azure Virtual Desktop の統合に重点を置いています。Azure に関する知識が少ない管理者でも、マルチユーザーでの Windows 10 / 11 ワークロードの利点を最大限に活用できるようになります。
オンデマンド ウェビナーをご覧ください。
主な機能強化:
Azure Virtual Desktop
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HTML5 Web クライアント
任意のブラウザーを使用して、Windows、macOS、および Linux デバイスから Azure Virtual Desktop のリソースにアクセスします。 -
MSIX app attach
パッケージ化されたアプリケーションを Azure Virtual Desktop ワークロードに追加できるようになりました。 -
RDP Shortpath
クライアントとセッション ホスト間の UDP ベースの転送を、特定のポート範囲に限定できるようになりました。 -
ストレージ コストを最適化
自動スケーリングと電源管理のコスト最適化の拡張機能として、Azure Virtual Desktop 仮想マシンの電源がオフになった時に、マネージド ディスク ストレージを自動的にダウングレードできます。
その他の機能拡張
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ユーザー エクスペリエンス
ユーザーは、仮想デスクトップ用の特定のモニターをきめ細かく選択できます。 さらに、事前作成されたクライアント接続を共有デバイスに指定できます。 -
Microsoft Authenticator
時間ベースのワンタイム パスワード (TOTP) 認証では、Microsoft Authenticator が利用可能になりました。 -
管理上での改善
永続的なデスクトップの割り当て、および新しい PowerShell コマンドレットと API により、管理が簡単になります。
Parallels RAS 19.1
マイナーアップデートである Parallels RAS 19.1 では、新しい機能が追加され、新しいテクノロジーがサポートされています。さらに、パフォーマンスとセキュリティも向上しています。主な機能をご紹介します。
- MSIX app attach の強化
Parallels RAS 19.1 では、仮想デスクトップインフラ(VDI)に対する MSIX app attach アプリケーションの配信が強化されました。RD セッションホストに加え、VDI デスクトップにも MSIX app attach アプリケーションのパッケージを割り当てられるようになりました。MSIX app attach を活用することで、管理者はデスクトップイメージまたは Parallels RAS テンプレートにアプリをインストールすることなく、アプリを動的に追加、削除、更新できるようになり、管理作業の効率性を向上させることができます。 - Nutanix AOS 6.5 のサポート
Parallels RAS 19.1 では、最新の Nutanix AOS Long Term Supported(LTS)バージョンがサポートされています。この機能は、セッションホストワークロードのプロビジョニング、スケーリング、電源管理の自動化に Nutanix を使用する IT 担当部署にとって特に有効です。 - 新しいポリシー検索
Parallels RAS 管理コンソールの新しい検索機能を活用して、管理者は利用可能なポリシーを迅速かつ簡単に検索して構成できます。 - 新しいユーザーエクスペリエンスレポート
新しく提供された、転送プロトコル(TCP/UDP)、ネットワーク遅延、接続品質、帯域幅品質に関する事前構成済みレポートの情報により、ユーザーエクスペリエンスの監視し、トラブルシューティングや強化を実行できます。IT 管理者は、ユーザーセッションの履歴データを取得することで、ユーザーエクスペリエンス向上が必要とされる分野を特定できるようになりました。 - Parallels Client for Linux による Ubuntu 22.04 LTS のサポート
Parallels Client for Linux の柔軟性および接続性が向上し、最新の Ubuntu LTS バージョン 22.04 をサポートできるようになりました。 - 新しい PowerShell コマンドレットと REST API
IT 管理者は、PowerShell と REST API によって、Parallels RAS を自動で展開および管理できます。以下の PowerShell コマンドレットと REST API のリストが公開され、REST API でリバースプロキシが使用できるようになりました。- MSIX app attach: RD セッションホストならびに VDI デスクトップ用の MSIX app attach を展開および構成します。
- テナントブローカー: テナントをテナントブローカーに接続して、ステータスを確認できます。
- ログオン時間: ログオン時間の制限を構成します。
Parallels RAS 19
新しくリリースされた Parallels RAS 19 では、基盤として最高度の評価を受けている機能とイノベーションが取り入れられており、任意のデバイス経由で仮想アプリケーション/デスクトップに、安全にアクセスできるようになっています。
管理者に対してもエンドユーザーに対しても、シンプルな使用感を提供すると同時に、展開の柔軟性とセキュリティの向上が図られています。Prallels の目標は、企業や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)、マネージドサービスプロバイダー(MSP)が、一元化された管理コンソールからより俊敏にサービス提供を拡大できるようにすることです。
主な機能をご紹介します。
- クラウドプロバイダーとしての Amazon Web Services(AWS)
Parallels RAS 19 と Amazon EC2 の統合により、サポート対象のクラウドコンピューティングプロバイダーが拡大しました。Parallels RAS テンプレートを使用することで、管理者とエンドユーザーの操作性を統一できます。また、クラウド上で直接、またはハイブリッド環境経由で、オンデマンドのインスタンスの展開や自動拡張が可能になります。 - MSIX app attach の統合
Parallels RAS 19 と MSIX app attach の統合により、必要なアプリケーションを適切なユーザーに提供できます。MSIX パッケージの検出とインポート、ビルトインのバージョンタグによるパッケージ更新の簡素化、パッケージの署名に使用する証明書の管理、セッションホストへのアプリケーションパッケージ割り当てによる動的なアプリケーション配信をご利用いただけます。 - Let’s Encrypt 証明書管理
Let's Encrypt は、受賞歴のあるグローバルな認証局(CA)で、無料の SSL 証明書が提供されています。Parallels RAS では、特別な設定をせずに Let's Encrypt による SSL/TLS 証明書の作成を統合できるため、簡単にセキュアなユーザーアクセスを実現できます。また Parallels RAS 19 では更新プロセスが自動化されており、Parallels RAS Console から直接、証明書の発行、更新、無効化を行うことができるため、証明書の管理もシンプルです。 - 指定 URL リダイレクト
Parallels RAS 19 には、既存の URL およびメールのリダイレクト機能に加えて、特定の URL をリダイレクトする機能が追加されています。サーバーからクライアントへのリダイレクト機能により、エンドユーザー端末のリソース利用を最適化できます。たとえば、ローカルにインストールされた Microsoft Teams や Zoom などの統合コミュニケーションツールに対するリダイレクトを利用して、通話や会議の音声/映像配信を最適化できます。 - 複数の多要素認証(MFA)の提供
管理者が複数の MFA を使用できるようになりました。異なる Parallels RAS 環境を展開することなく、単一のリソースで IT 環境を合理的に管理できます。 - Parallels Client for Windows on ARM64
Parallels Client for Windows は、ARM64 プロセッサーを搭載するマシン上でネイティブに動作するよう再構築および最適化されています。これらの低負荷なシステムを利用するユーザーが、x86 および 64 ビットアプリケーションを効率的に利用できるようになりました。 - 表現的記述によるフィルタリングとポリシー
表現的な記述によるフィルタリングでは、自然言語形式を使用できるため、柔軟さを提供しつつ管理者の複雑な作業を軽減できます。表現的な記述を使用してルールや基準を設定し、ユーザーアクセスをより詳細に管理したり、指定したオブジェクトに Parallels RAS クライアントの接続ポリシーを適用したりできます。また、ログオン時間を設定してファームリソースへのユーザーアクセスを制限したり、多要素認証(MFA)要件を管理したりすることもできます。 - 電源管理
クラウドにおける仮想マシン(VM)の運用には、実際に使用されたコンピューティングリソースに対してのみコストが発生するという特性があります。VDI の VM は、通常、業務時間内にのみ使用されます。管理者は Parallels RAS の電源管理機能を活用して、 サポート対象のプロバイダープラットフォーム(Microsoft Azure、Azure Virtual Desktop、Amazon EC2 など)に存在する VM で、電源を投入したり切断したりするスケジュールを設定できます。 - メールベースのアカウント検出
Parallels クライアントから仮想アプリケーションやデスクトップへの接続が、これまで以上にシンプルになりました。エンドユーザーは、メールアドレスを入力するだけで、詳細な接続情報を得ることができます。ファーム用の冗長なサーバーアドレスや URL を入力する必要はなくなりました。すべてのネイティブ Parallels クライアントで、メールアドレス入力による Parallels RAS ファームの検索がサポートされるようになりました。 - ログオン時間のコントロール
Right to Disconnect(つながらない権利)のイニシアチブをサポートし、ログオン時間のルールを設定することでセキュリティを強化できます。Parallels RAS 19 では、公開済みリソースのログオン時間を設定できます。表現的な記述による、柔軟なルールで、アクセス許可のスケジュールを設定できます。
全機能を掲載したリストについては、Parallels RAS 19 リリースノート を参照してください。